銀行選びのコツ
金融機関と事業展開について
事業が大きくなればなるほど、仕入や人件費の確保のために資金需要が増します。
一般的に多くに経営者にとって、資金面で頼りになるのがメガバンクや地銀、信金などの金融機関でしょう。 そういった意味で金融機関とのお付き合いは事業を今後とも維持さらに展開をしていく上で避けては通れないものです。
このページでは銀行選びのコツについて当税理士法人の経験をまじえてご案内致します。
融資の受けやすさからみる金融機関
まず最も融資を受けやすいのは日本政策金融公庫です。
日本政策金融公庫とは、国民生活金融公庫(いわゆる以前のこっきんです)と農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行、沖縄振興開発金融公庫の5つの政府系の金融機関が2008年10月に統合し、新たに発足した金融機関です。
日本政策金融公庫は政府系の金融機関ですから、そういう意味でも中小企業への融資を積極的に行ってくれる金融機関といえます。
起業して間もないなど社会的な信用力が少ない場合に、まずは日本政策金融公庫に相談するとよいと思います。
次に融資を受けやすいのは保証協会保証付き融資となります。
最後に信金や信組プロパー、地方銀行プロパー、メガバンクプロパー融資の順となります。
プロパー融資とは、信用保証協会などの信用保証を受けずに直接に金融機関から融資を受けることをいいます。
取引信用の薄い(ない)企業への融資はリスクマネーとなり、金融機関側もプロパー融資には慎重な面もあります。
そのため創業段階では金融機関のプロパー融資を受けることは難しいのが実情といえます。
逆に申し上げれば金融機関からプロパー融資を受けられるようになって、自社が社会的にある一定の信用を得たと考えることもできるでしょう。
どの金融機関と付き合うべきか?
さて、前述では融資を受けやすい一般的な金融機関を序列にしてみましたが、ここでは実際に信組や信金、地銀、メガバンクなど、どの金融機関とお付き合いをすればいいのかについて一つの指針をお示し致します。
ただし結論を申し上げれば、どの金融機関とのお付き合いが一律的に中小企業に対していいとか悪いとかはございません。
その金融機関の担当者との相性やその担当者の金融機関内での立場、役職やビジネスマンとしての能力にも大きく左右されるからです。
以下はあくまで一般論としてご一読願います。
信用金庫を選んだ場合
信用金庫は、地域密着型の金融機関なので、比較的小回りがきいて個別の資金需要に応えてくれようとしてくれます。
そういう意味において創業当初の段階では信用金庫とのお付き合いも一考に値します。
ただし難点は金利が比較的高めであるということです。
地方銀行を選んだ場合
地方銀行も前述の信用金庫と同じく地域密着型の金融機関です。
信用金庫よりも比較的金利は低く、さらに大きめの資金需要にも応えてくれます。
メガバンク経由で断られた信用保証協会付きの融資が、地方銀行経由だと通ることもあります。
地方銀行は、地元では非常に存在感が強くメガバンクのシェアを大幅に上回っていることもあり、敷居が高いこともあります。
しかし首都圏の支店であれば優良な融資先も多くはないので、比較的付き合いやすいという側面もあります。
メガバンクを選んだ場合
メガバンクは、金利も安く、資金量も豊富なので、多額の融資に強いのが特長です。
規模が大きいというメリットの一方、有事の際に資金回収も早いという側面もあります。
その意味では小さなベンチャーでは慎重に取引をする必要があります。
なお、資金量の豊富さからメガバンクは保証協会付の融資よりも、プロパー融資を借りるときに力を発揮します。
金融機関から調達すべき資金量がある程度の規模以上になったら、メインバンクの1つにメガバンクを選定してもよいでしょう。